おばあちゃんにだけほんとのことを言うね

今日は少し早く目が覚めて、朝から泣きたい気持ちになって誰かに弱音を吐きたい気分だから、おばあちゃんだけにほんとのことを言うね。

 

たぶん、私がこんなに泣きたい気分になったのは昨日母と電話で話したからだと思う。

おばあちゃんは私の母のこと、あまりよく思っていなかったと思うけど、破天荒でわがままでヒステリーだけど、実は優しかったり繊細だったり、意外と器が大きかったりでいいところもあるんだよ。今は母もすっかりおばあちゃんで、そりゃあ、あんな人だから普通のおばあちゃんじゃないけど、でもやっぱりおばあちゃんで、少しは丸くなったんだよ。

 

おばあちゃんは今、私のおかれている状況を知っていると思うけど、母もそのことで心配していて、母のことだから普通の心配の仕方ではないけれど、それでも私と子供のことをとても気にかけて心を痛めていることは伝わってきて、よく電話もくれる。

 

「あんたもなんであんな男と結婚したのかねえ」とか「まったく男を見る目がないね」とか「あの男はキチガイなんだから気を付けなさいよ」なんて言ってくる。私も夫のことを「気が小さければ器も小さい」なんてこき下ろして母と笑う。そんなこと夫に言ったら大変なことになるからね。

 

「ほら見ろ、この女は暴言を吐く!」って鬼の首とったみたいに喜ぶからね。

そういうところ、器が小さいって言ってるんだけど。

 

まあ、そういうことを母には言えるから、助かってる。

 

そんな母が昨日の電話でふと「ちゃんとご飯作れてるの?」って聞いてきた。

 

母は、こういう心配する言葉をかけてくる人じゃないから、私は泣きそうになって言葉につまった。でも泣かなかった。

「作ってるに決まってるじゃん」って言った。

 

おばあちゃん私、ほんとは泣きたかったんだ。

ごはん作ってるけど、食べたいものなんてないし、食べたところですぐにお腹がいっぱいになるし、ごはん食べて命をつないだところでなにかいいことあるのかなって思ったりするし、とにかく泣きたかったんだ。

だけど、母に心配をかけたくなくて泣けなかった。私が参っていると思われるのもイヤだった。こんなことでへこたれる娘じゃないと思ってほしかった。

 

なんて言ってるけど、私が相当に参っていることはバレバレで。

子供が、私がいつも泣いているから心配だ、って元夫の両親に言っていたんだって。

そのことは元夫から聞いた。「大丈夫なのか。子供がお前のことを心配している」って。そのときも私は「大丈夫」って言っちゃった。「裁判になったって証拠も証言も十分にあるし、負ける理由がない」って言ったけど、元夫は全然私のことを大丈夫だと思ってなかったみたい。「塾のお金ならこっちで出すし、高校の入学費用も面倒見るから心配しないで法廷で暴れてこい」だって。

 

おばあちゃん、私、元夫との電話を切ったあと夕ご飯の支度をしながら泣いたよ。

 

スポーツジムで週に1回、一緒にエアロビクスをするご婦人にも最近、実は夫が家を出たって告白したんだけど、彼女は私の告白を聞いて、大変だったのねって涙ぐんでくれて、まあ、とってもありがたかったんだけど私は泣く機会を失って。でも、心配してくれる人がいるのはとても嬉しいことだよね。彼女は毎週、私の体調を気遣ってくれているんだよ。私が痩せていっているからとても心配してくれてる。

 

おばあちゃんの息子である父も、心を痛めていると思う。この年になってまだ娘のことを心配しないといけないなんて私は悪い娘だよね。

 

先週は夫が、私の父と直接話したいって、父にメールしたから、そのメールの返信は私がしたんだ。

たぶん夫は、私が金のことばかり言ってくるから親からも援助してやれ、とか、実家で面倒を見ろってことを父に言うつもりだったと思うんだけど、そんな会話、私が許さなかった。

 

私は、夫あてのメールに父をccに入れて、威厳たっぷりのメールを書いた。父が心配しなくていいように、夫と対等に渡り合っているように威風堂々と自分の主張を書いて父との対話を断ってやった。

 

私が小学校低学年の頃、父と妹と私で公園へよく行っていて、そのとき近所に住むいじめっ子が私と妹を見つけて駆け寄ってきたとき、父がいじめっ子を追い払ってくれたことを思い出したよ。

 

だから、今度は私が、あのヒト型モンスターを追い払うって思ったんだ。案の定、父がccに入った私のメールを見た夫の小さい器はすぐにいっぱいになったみたいで、「私の言っていることはすべてデタラメで根拠がないとして離婚訴訟を起こす」って返事が来た。ccに父は入ってなかったよ。

 

おばあちゃん、私はこんな状況だけど気にしてくれる家族はいるし、私のわがままで別れたにも関わらず私のサポートをしてくれる元夫の家族もいるし、私のことを気にかけてくれるご婦人も紳士もいるし、まあ、恵まれていると思う。

 

そうそう。子供は今年高校受験なんだよ。

おばあちゃんが最後に見たのは小学校4年生の子供だよね。

おばあちゃんの葬式は初めての葬式で、とても怖かったみたいで私の腰に抱き着いて泣いていた子供も、私の背を追い越して大きくなったよ。

私に似て小顔で、怖がりで、私に似ずに足が長い笑

夏休みに子供だけ遊びに行くから、見てやってよ。

まあ、毎年見てるか。

 

おばあちゃん、おばあちゃんがいて、父と母が父と母で、私は子供で、子供として守られていた時代に戻りたいと、強烈に思うときがあるよ。

 

子供がまだ小さくて、手をつないでいろんなところに行った、あのころでもいい。おばあちゃんが生きていて、子供が小さくて、子供と私だけだったけど希望も夢もあったころ。

 

今は毎日不安で仕方ないよ。

今月も夫は婚費を払ってくれないし。

そのたびに夫にメールして、こんな内容だったら屁のほうがよっぽど嬉しいわ!みたいな返信が来て、裁判所へ連絡して。

家賃は何か月滞納できるのかな、なんて心配したり。

修学旅行の写真代とか、卒業アルバムのお金とか、塾の定期テスト対策のお金とか、たった数千円の請求書を見るたびに死にたくなる。

子供の成長なのにね。

誰かに「大丈夫?」って聞かれるたびに「大丈夫にきまってるじゃん」って答える自分も嫌い。

離婚訴訟用にって言わないと心療内科へ行っている事実を人に言えない自分も嫌い。

ほんとは薬がないと寝られないくせに。

誰かに話して思い切り泣いてみたいけど、誰に話していいかわからないんだ。

おばあちゃん、実は私、つらいんだ。